2019年10月16日
アクアステーションのまっちゃんがグッピー飼育研究経験に基づき、
仲良くして頂いてる経験豊富なグッピー愛好家さん達とのお話しを合わせて、
現時点でグッピー飼育における注意点を書かせて頂きました。
少し難しい内容になってしまいましたが、これ以上易しくは書けないです。
☆グッピー品種の固定度について。
日々固定度の向上を目指していますが、
生物全般に言える話なのですが100%の固定率は不可能です。
対の染色体には単純な減数分裂だけではなく、
減数分裂時に転座をして遺伝子の場所が変わる事もございます。
又、染色体の遺伝子には転座だけではなく、
壊れてしまう事や機能を獲得する事もございまして、
グッピーの見た目だけでは判断出来ない場合も多いのです。
簡単に言えばオス表現では見た目で大体判断が可能ですが、
メスに関しては表現的に判断不可能な場合が多いのです。
2本あるX染色体の内1本に狂いが生じている事もございますので、
品種維持で飼育を楽しみたいのでしたら、
1ペアからのスタートではなく複数ペアからの飼育がおすすめです。
グッピー飼育歴が浅くグッピーの遺伝マニアさんに完璧主義な方が多いのですけど、
アクアステーションのグッピーは遺伝研究用の材料ではござませんので、
遺伝学的に完璧を求めないで頂きたいです。
☆グッピー特有の病気について。
購入してもすぐに尾びれを縮めてフラフラしたり、子供が採れてもハリ病が出たりと、
当店に初めて来店されるお客さんに多い症例なのですが、
どうもキャリアグッピーを購入されている確率が高いように思います。
このキャリアグッピーと言う存在が厄介でして、
簡単なはずのグッピー飼育を難しくさせています。
これまた厄介なのがキャリアグッピーの見分けの困難な事で、
一見して健康そうに見える個体も多いのです。
(世間的に国産グッピーならグッピー病は大丈夫なんて事を言ってますが大噓です)
現在この疾患は免疫力が低下するウィルス説が有力でして、
通常の飼育環境には魚に悪さをする常在菌も沢山存在していまして、
免疫力がないから常在菌類にやられてしまうのだと感じています。
飼育水中に塩を投入して治療される方が多いのではありますが、
確かに塩による殺菌効果で水中の常在菌量が減って、
その間に魚がウイルスに対する抗体を作り免疫力が高まります。
されどこの方法を繰り返しているばかりではキャリアグッピー作りの繰り返しです。
はたしてキャリアなグッピーは治療可能なのだろうか?と言う疑問でもあるのですが、
頑張って治療を進めていたら全く塩を使わなくても大丈夫にもなる場合があって、
そのグッピーの状態がノンキャリアかどうかはわかりませんが、
その後は塩を一切使わずに飼育が可能になりクロスで混ぜても安心な状態を何度も経験しています。
私が考えているキャリアグッピーの状態には2パターンありまして、
弱キャリアと強キャリアな状態でして、強キャリアなら環境が変わっただけでアウトです。
弱キャリアな状態では、そこそこ飼育出来てしまうのですが、
絶対と言って良いぐらい子供にはハリ病が伴います。
勿論このお話しは水質悪化による影響がないのが前提で亜硝酸濃度によるハリ病とは違います。
この弱キャリアグッピーがかなりのくせ者で一見して普通の個体なので、
その水槽の水に気を遣わずウイルスを含んだ水を他の水槽にも入れて調子を崩したり、
中途半端に水替えをして新たに購入したグッピーを入れて調子を崩したりと、
まだ飼育経験の浅い方達はかなり苦労されて相談に来るお客さんが多いです。
アクアステーションのグッピーをお求めの際は水槽リセット後の新しい水がベストです。
セット初期の亜硝酸濃度の上昇には注意が必要ですがウイルス混入水槽では飼育が困難です。
当アクアステーションでは安心安全なグッピーのブリード販売を目指しておりますが、
グッピーには微弱なキャリアみたいな現象もございまして難しいと日々感じています。
当店を含め何処のグッピーでも導入当初は注意が必要でして、
子供が採れてハリ病の出現もなく順調に育つまでは安心なんて出来ないのです。
最後に現在でも国産グッピーの世界は曖昧であやふやな部分も多い世界なのです。
日々完成度を追求しておりますが工業製品のような完成度ではございません。
工業製品ではないグッピーは到底完成個体なんかは作出不可能ですので、
飼育者はご理解の上でグッピー飼育を楽しんで頂ければと思います。